【東工大生×Webサービス開発者】のブログ

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時間効率を上げるべく、大学生が【イシューからはじめよ】を読んでみた②

イシュードリブン:解く前に見極める

本記事は、以下の記事の続きとなっています。

 

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問題を解く前に、『何が今答えるべき問題なのか』というイシューを見極めることは、非常に重要である。

逆にこのプロセスを無視して、【とりあえずやってみるか】というアプローチをすると、ほぼ確実に無駄な作業をすることになる。また、チームで取り組む場合には、目標のずれが生じ、個人での作業に比べて大きな無駄を生むことも容易に想定できる。

しかし、イシューを見極めることは非常に難しい。それは、僕を含め多くの人間が、日常の生活の中では到底経験することのないアプローチであるからだ。そもそも、課題の難易度や時間の猶予を鑑みても、日常生活を普通に送り、普通に仕事をする人は、このアプローチは必要ないと思う。(自分も忙しく、前よりも難しいことに取り組むようになってからこの考えの必要性に気づいた)

 

冒頭が長くなってしまったが、これからイシューをどう見極めるか、についてまとめていこうと思う。

 

相談できる人を持つ(イシューの特定手段)

イシューを特定する際に、一人で考えることは推奨されない。

このプロセスにおいては、自分よりも経験がある人とディスカッションをすることが非常に大事である。

多くの場合、経験のない素人が『これはインパクトがありそうだ』と思ったことは的外れになる。例えば、サッカーがうまくなりたいとして、そのベストな方法論に自分一人でたどり着けるか、問われると、それは厳しいだろうなと思ってしまう。

要は、自分に過度の期待をせずに、周りの力に頼ったほうが、結果的に生産的なアプローチが出来るということだ。

 

 

仮説を立てる(イシュー決定のアプローチ論)

イシューを決定する際には、仮説を含めることがマストである。

言い換えると、スタンスを取らなければいけないということだ。

この理由は3つある。

スタンスの重要性

1.イシューに答え合わせを生む

仮説を定めることで、そのイシューはイエスノーで決定できるようになる。

 

2.必要な作業が分かる

上に順ずることだが、イエスノーで応えるようになれば、その証明に何が必要なのか、見えてくるようになる。逆に、仮説がなければ見えてこない。

例えば、【コロナで自分の店がつぶれそうだ。何とかしよう】では、実際に何をすればいいのか分からないが、【自粛化でも対面でご飯を食べたい層が一定数いるのでは?】となれば、施策の打ちようがある。

 

3.分析の解釈が明確になる

リサーチを進めるにあたって、データをみていて何が何だか分からなくなる経験はないだろうか?

この様な問題は仮説を定めれば、仮説をフォロー OR 否定になるから、自然と消えていくだろう。

 

言葉にする

イシューが定まったと感じたら、

それを声なり文章なりを使って言語化することが必要だ。

 

この行動により、イシューをより深く定める事が出来るようになる。

言葉にすることで頭の中で不明瞭である部分が、'詰まり'として浮かび上がるからだ。

自分も言葉に出来ないなぁ~と思うことがあった。(特にリクルートのビジネス系のインターンに参加したときには、毎度毎度その様なことを思っていた)

しかしこれは、自分の言語化能力の問題よりも、頭の中で自分の考えが明確化できていなかったからであると、今では気づくことが出来た。

 

 

言葉にするときの注意点

言葉にするときは、以下の3つを意識すると、イシューの質が向上する。

1つ目は、主語と述語を入れる事

2つ目は、【WHY】ではなく【WHERE, HOW, WHAT】を使うこと

3つ目は、比較をすること。これにより、イシューに答えを出しやすくなる。

例えば、【パスを練習すれば試合に出れるのでは?】ではなく、【パスを練習すれば、Aを出し抜いて試合に出れるのでは?】とすれば、その会に答えられるだろう。[Aを抜けば、試合に出れるかはまた別の話だが]

 

以上の様に仮説を立てることで、良いイシューを決定することができる。

 

 

良いイシューの3条件

良いイシューには3つの条件がある。

・本質的な選択肢となる

・深い仮説がある

・答えが出せる

 

本質的な選択肢である

本質的な選択肢というのは、具体的に示すと、【今後の展開の重要な分岐点になりえるということだ】。

例えば、本質的な選択肢になりえないイシューというのは、【試合に出るために、シュートの練習をしたほうがいいのか否か?】というものだろう。これに対して、【自分はFWよりもDFの方が試合に出れるのでは?】というのは、より本質に近い。

言い換えると、上流をたどれ、ということかもしれない。

前者のイシューは、後者のイシューが正しければ必要なくなる。

全体に対して、大きなインパクトを残せるなら、本質的であるといえるだろう。

 

深い仮説がある

先ほど、仮説の重要性について述べたが、その仮説が深いとさらに良い。

その様な仮説を生み出す手段として、以下の2つが有効である。

常識を否定する

常識を否定することで、より大きなインパクトをもつイシューを生み出すことが出来る。

例えば、有名な地動説は常識である天動説を否定することで大きなインパクトをもたらした。自分の考えた例で言えば、光が粒子性を持つこともその一つの例だろう。

 

常識は大体の場合において、凡例があるわけないと思ってしまいがちだが、圧倒的な生産性を求めるなら、まず常識を疑うことが大事だろう。

 

新しい構造で説明する

先ほどの、常識を疑う仮説を持つことは、大きなインパクトを与えるためであるが、この手段としてもう一つ存在する。それが、新しい構造で説明することだ。

 

新しい構造がインパクトを与える機構は、脳の構造に起因している。

脳は単体ではなく、つながりで理解する。つまり、関係ないと思っていた2つがつながると、大きなインパクトを与えるのだ。

例えば、月は遠心力と万有引力が釣り合っている、と言われるのと、月の運動はジェットコースターが一回転しても落下しないのと同一の機構を取るといわれた方が分かりやすい、だろう。

 

ここで、新しい構造の例を4つ示す

・共通性の発見

・グルーピングの発見

・関係性の発見

・ルールの発見

 

 

答えが出せる

これは一般的な考え方とは少し乖離するが

答えが出ないものからは逃げることが大事だ。

 

気合で考えても無意味なものは、良いイシューとは言えない。

なぜなら検討できないからだ。

 

では果たして、答えの出ないイシューなんてそう多く存在しているのか、と言われてみると、あまり実感がわかない。

例えば、【化学反応の機構の際、電子はp軌道に対して43.4度の角度でアタックしているのではないか?】といったイシューは、現在電子ひとつを追跡する技術がないので、この例に当てはまるだろう。

 

要は、分析手段のないものには飛び込まないということだ。

 

 

 

イシュー特定のための情報収集

冒頭にも述べたが、知識なくしてイシューを考えることは不可能に近い。

ぼくがいきなり、流体力学をテーマに研究テーマを考えることは不可能だ。(化学なら出来るのか、と言われるとそれも恐らく無理だが、、、)

 

イシューを見極めるためには、先に情報を収集する必要がある。

本節では、この情報収集の際のポイントについて述べていきたい。

 

一次情報を死守せよ

情報収集において大事であるのは、1次情報を死守することだ。

ここでいう一時情報とは、【誰のフィルターも介していない情報】のことであり、まとめサイトや本などは、この逆例である。

 

一次情報を収集することで、その業界の新しい視点を得ることが出来る。

逆に、二次以降の情報は、必ずと言っていいほど、誤解を生む可能性が高い。

既に誰かの意図によって塗り替えられたデータは、当たり前であるが、誰かの意図に支配された見解を生んでしまい、それでは、上記に上げた深い仮説やインパクトの大きなイシューは生まれないだろう。

 

基本情報をスキャンする

ある程度一次情報に触れたら、次にやるべきことは業界の基本的な情報を薄く広く頭に入れることである。

ここでいう基本情報とは、

・数字(このパラメータを知らずしては議論できないもの)

例えば、飲食店の売り上げを上げる施策を考える際に、1日の客数を知らなくては、どうしようもない

・問題意識(これを知らなければ会話が成り立たないレベルのもの)

例えば、サッカーチームを強くするのに、そのチームが抱える課題(得点力等)を知らなければ、話が出来ないだろう

フレームワーク

フレームワークを知ることで、その業界の全体構造が見え、今抱える問題は全体のどこに位置するかが、分かりやすくなる。

 

やりすぎを避ける

情報収集に時間を費やしすぎることは、マイナスの効果を与えるため推奨できない。

ひとつ目に、情報収集に時間を費やしすぎることで極端に効率が落ちる。

時間に対して、情報の量をプロットした場合、初期は急激に情報の量が増えていくが、有る点を超えると、傾きが0に近くなっていく。

ゆえに、やりすぎるのではなく7割程度の情報を集める方が、生産性は高い。

 

二つ目に、情報を知りすぎると、知恵が極大点を迎える。

不思議ではあるが、知りすぎることで新しい発想が生まれる確率は下がるのだ。

これは世の中にコンサルティングファームが存在する理由の一つであると、著者らは述べている。

 

上記二つの理由より、情報収集に時間をかけすぎることは得策ではない。

アカデミアであれば、得なければならない知識が膨大なため、自学する時間が大切になるが、ビジネスにおいてその面は弱い。

 

 

イシュー特定の5アプローチ

仮説を立てようとした、情報もしっかりと収集した。

しかしイシューを特定する知恵が足りないことは、容易に起こりうるだろう。

本節では、その様な状況を解消するための手段を5つ述べていきたい。

 

変数を削る

単純な受験の問題ならともかく、世の中に転がる難易度の高い問題は、多くが多変数であり、それぞれの相関を取ることは非常に難しい。

その様なときは、変数を削る、ないし固定することが大事である。

例えば、飲食店の広告サービスを展開する際に多くのユーザを獲得したいとしよう。

この様なとき、現状ではどのような料理がウケるのか、を特定することは難しい。

そこで、変数を削る。具体的には、顧客を分けるのだ。例えば、年齢別や収入別、日本人と外国人、といった風に分けて、20代の大学生にのみ焦点を当てる、といった具合だ。

 

視覚化する

問題の構造をグラフやマトリクス図に正射することで、イシューを特定しやすくなる。

これは、目で全体を理解することで、どこが問題であるかが分かりやすくなるためである。

視覚化する際の方法例としては、以下のものがある。

・サークルの市場マップを、FunとInteresting でマトリクス化する

・レストランのオペレーションをプロセス化する

 

最終形から逆算する

目指すべきゴールから逆算することで、何を検証すべきなのか、すなわちイシューが分かる。

例えば、読書がIQの相関について研究するとして、その証明のためには、【読書が他の行動では得られない脳内物質を分泌するのではないか?】といったイシューが生まれる。

 

So, What?を繰り返す

So, What?(だから何)を繰り返すことで、イシューが磨かれていく。

例えば、学校の授業を聞かずに内職することは正しいというイシューに対して、So Whatを繰り返すと、以下のようになる。

・内職は正しい

・内職をすることで、授業を聞くより効率の良い勉強が出来る

・学校の授業を聞くよりも、予備校に対して予習復習をしたほうが効率がいいから

・競争にさらされない公務員より、競争を勝ち抜き続けている予備校講師の方がいい

とすれば、競争にさらされている授業を聞いた方がいいのではないか?

といった風に、イシューが磨かれる。

 

極端な事例を考える

複雑な入り組んだ問題は、変数の一つを極端にすることで、考えやすくなる。

例えば、バレーボールでセッターとしてレギュラーを目指したいとしよう。

この時、例えばトスが極端に上手くなった事例を考える。しかし、この時ブロックが出来ないことに気づけば、そもそもポジション選びの前提に帰った方がいいのではないかというように思考をプルバックすることが出来る。

 

極端な例を考えることで、そのイシューが本当に本質的なのか、何がイシューなのかをとらえやすくなるだろう。

 

 

本記事は以上となります。

長文をお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

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時間効率を上げるべく、大学生が【イシューからはじめよ】を読んでみた①

コロナの自粛で、Funの要素がほぼ0になり果ててから、早1か月以上がたった。

自粛によくある暇ということは正直なく、Webサービスの開発と研究の準備を同時並行で進め、正直時間がないと感じることが増えた。

そんな時間がない中で、最も感じることが【この作業、非効率じゃね?】ということだ。ここ最近、作業量が多くなったことで、3日ペースで決めているタスクが終わり切らなくなったからだ。

そんな悩みを高頻度で抱えるようになったので、過去の記憶から今回紹介する本である【イシューからはじめよ】を再びしっかり読むことにした。本記事は、その内容を言語化することで、自分のものにするために書いたものである。

 

では、さっそくまとめていきたい。

 

序章部分

まずは、本書の前提となる考え方について述べていきたい。

バリューのある仕事

この本の題目は、生産性を上げることだ。

しかし、生産性に対してしっかりとした定義がないまま、話を進めるのは愚行である。

ということで、著者はまず、この生産性を定義している。以下の通りだ。

 

生産性 = (Output) / (Input) = (成果) / (投下した労力・時間)

文章に還元するのならば、要は少ない労力で高い成果を出せ、ということだ。

しかし、分母は分かるとして分子はどうだろうか。成果とは、バリューのある成果のことであると思うが、そのバリューがまた抽象的である。

 

そこで筆者は、そのバリューをさらに次のように定義している。

バリュー = イシュー度 × 解の質

ここで右辺第一項は【今その問題に答えを出す必要性】を示している。

ここでもやや抽象的なので、自分なりの例を添えたい。

例えば東工大に合格したいとして、【最も合格率の高い予備校を探すこと】はイシュー度が低い。これは、大手予備校の合格率など大きな差がないからだ。予備校の授業も競合しあうことで、大きな差はないだろう。

対して、【過去問傾向から、置換積分の問題が出やすいのではないか?】という問題には、解を出す価値が大きくある。入試においても山が当たるのと当たらないのでは、無常ではあるが、結果が大きく異なる。これは運ではなく、対策のうまさの問題だ。

 

右辺の第二項は、言わずもがな解の深さ、正確さである。これは、特段例はひつようないだろう。

 

 

ここで、イシュー度の高い問題が極めて少ないことに留意したい。

著者曰く、あるPJにおいて発見できる問題が100あるとしたら、その内でイシュー度が高いものは、2, 3程度だという。

つまり、拡大して解釈すると【努力と根性だけでは到底報われない】ということだ。片っ端から気合で問題に取り組んでも、2%を当てられるかといえば到底無理だし、当たったとしても生産性が高い人ではなく、ただの一発屋だ。

 

ここまでをまとめると、生産性の高いアプローチとは

①まずイシューを見極める

②解の質を向上させていく

の2つである、と著者は述べている。

 

次章意向で、この2つを深く掘り下げていくことになる。

次の記事でさらにこれをまとめていきたい。

 

 

最後に、内容とは脱線するが、ぼく個人に刺さった部分について述べたい。

当たり前のことになるが、プロは努力でなく成果で評価されるということだ

例えば、毎日13時間必死に勉強してMARCH大に落ちる謎学生より、1日に2時間程度の勉強で早慶に受かる人の方が、遥かに遥か遥かに価値がある。(ここでは、大学での生活が当人の能力を大きく変えることが無い、という仮定を置いているが)

よく、努力できることが~とか言った言説を見かけるが、仮に前者を採用したとして、8時間しっかり働いて残業もした結果、ゴミのような成果が出ました、とかは真に人件費の無駄以外でも何でもない。

努力しても成果がゴミなら、その努力は時間の無駄だ、と思う。

 

ここで極端な例を用いたのは、自分を戒めるためではある。

自分は大学3年の3月にWebサービスを開業したが、まだ成果は出ていない。

成果が出ないと不安になり【セルフでプログラムも書いて、企画もして、新しいことにチャレンジして、俺はよく頑張ってる!すごい!】とか思うことがある。

これは間違えで、危険であると自分でも感じている。

仮にWebサービスがうまくいかなかったら、自分のここまでの努力と時間は無駄。自分自身の能力も何一つ、高まったとはいえない。ということを再び強く意識したいと思う。

要は、マジのマジで結果が全て、ということを忘れたくない、ということだ。

 

 

最後は蛇足でありましたが、本記事はここで中断します。

お読みいただき、ありがとうございます。

【要約】ハイパワー・マーケティングを読んで、既存客の重要性を勉強した④

本記事は、以下の記事の続きとなっております。

 

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それでは、本記事ではマーケテストの重要性についてまとめていく。

 

 

7.より良い施策を模索するためのマーケテスト

ビジネスにおいて、こうやれば成功する、という絶対的な法則は存在しない。

正解が分からないからこそ、様々な施策を試していくわけだが、顧客が欲しいものなど分からないというのが原則である。こちら側ではわからないからこそ、様々な施策を市場に対して打つことで、そのリターンを計測し、最適なものへと進化させる必要があるのだ。

本節では、テストの重要性からテスト運営の注意点を述べていく。

マーケテストの重要性

冒頭でも述べたが、正しい投資をするためにマーケティングテストは必須である。

解がないからこそ、数字を取り、優れた施策を抽出し、何が正解で何が不正解かを模索する必要がある。

また、資本は有限ではないため、たとえ成果が出てもより効率化していく必要がある。

とにかく、解が分からない以上は施策を打ち続け最適化していくしかない。

テストの具体的な方法と注意点

テストを取るときに重視すべき点は、以下の2つである。

1つ目の注意点は、変える条件は1つのみに、ということである。条件を何個も同時に変えると、何のパラメータ変化がプラスの影響を及ぼしたのか分からない。

例えば、ある営業社員がテレマーケティングで成績を上げたいとして、電話の時間帯とUSP、電話して10秒の挨拶を同時にすべて変えてしまっては、何が有効な施策なのかわからないだろう。

2つ目の注意点は、何でもテストしろ、ということである。

営業手法から、価格設定、クライアントへの接触回数等、こちらで試せるものは全てテストしよう。

今ある成果は十分なものに見えるかもしれないが、実は大きな伸びしろを抱えているかもしれない。

 

8.既存客の利用頻度を最大化する努力

前章でも述べた通り、マーケティングと聞くと新規客の獲得に目が行ってしまうが、既存の顧客の利用頻度を高めていくことも、同じレベルで大事なことである。

この章では、既存クライアントの利用頻度を高める方法について、論じていく。

既存顧客にアプローチする有用性

タイトル通り、既存顧客にアクションを起こすことは意味のあることである。

なぜならば、既存顧客はサービスを再び利用してくれる可能性が非常に高いからだ。その理由は明らかで、初めにサービスを利用したクライアントは自社のUSPに魅力を感じていたからだ。

好意的なユーザーは、アプローチすれば再びサービスを利用する可能性が高い。利用頻度をこちらから制限することは、大きな機会損出なのだ。

では、実際にどうアプローチする?

既存クライアントにアプローチする方法は、十人十色である。

ただ、クライアントと会える頻度をエクセルで整理し、その一人一人に対してするべきおもてなし(お礼のメールから、会食まで)が一覧化できれば、優先順位をつけることは出来るはずだ。

後は、優先順位が高いものから、時間の余裕がある限りクライアントに尽くすことで、より密な関係を築くことが出来るだろう。

 

以上が、クライアントの関係を維持し、より強固なものにする方法である。

あわよくば、利用頻度を高め、売り上げを向上させるだろう。また、LTVが大きくなることも期待できる。

 

9.卓越論

サービス主は、ユーザの言いなりになってはいけない。

ユーザの立場に立って、ユーザが抱える課題に取り組み、ユーザにとって最適なソリューションを提供しなければならない。

例えば有名な話であれば、ドリルを買いに来たユーザは、ドリルを求めているのでなく穴というソリューション、もっと巡らせると、壁に家具を固定する方法を求めているのかもしれない。

この場合、ドリルを求めているユーザに、より簡易的な吸盤で取り付ける家具を提供することが、実は最適であると考えられる。

これが卓越論であり、決してユーザの言いなりになってはいけない。そのような思考停止ビジネスは、大きくなる可能性が小さいだろう。

 

 

この本では、さらに成功する為のマインドセットや、読者に自信をつけさせる内容のものが含まれているが、今回は割愛する。

理由は、自分のサービスをマーケティングするうえで、直接的には役に立たないと感じたからだ。

 

以上が、ハイパワー・マーケティングの内容を要約したものです。

長文をお読みいただき、ありがとうございました。

 

過去記事

 

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では。

【要約】ハイパワー・マーケティングを読んで、マーケの基礎の基礎を学んだ③

この記事は、以下の2つの記事の続きです。

 

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今回は、客単価を最大限に高める方法、実際に顧客にアプローチする方法についてまとめていこうと思います。

 

 

6.サービスをアドオンして、客単価を最大化する

クライアントが選べる選択肢は多いほうが良い。プランAだけでは、60%の満足度でも、プランBと組み合わせれば90%の満足度を得られるかもしれない。

本節では、クライアントの選択肢を増やすことで、客単価を高める方法についてまとめていく。

アドオンはなぜ重要なのか

アドオンは、クライアントの満足度を高め、客単価を高めるという点で、非常に有益なものである。

そもそも、クライアントが選択できる選択肢を、サービス主が一方的に決めてしまうことは非常にもったいないことではないだろうか?

アドオンによってクライアントの選択肢を増やし、それが顧客満足度の向上と、客単価の増大につながっていくのだ。

量的なアドオン

量的なアドオンとは、その名の通り、量の面でより多くの選択肢を与えていくことである。非常に簡単な例だが、SMLの3つのサイズが選べるソフトクリーム屋は、ワンサイズのみの店に比べて魅力的である。

Lを選択する人は、S, Mを選択する人よりも大きな客単価を見込めるし、食いしん坊なクライアントの顧客満足度を高めることが出来る。

質的なアドオン

質的なアドオンとは、クオリティの面でより多くの選択肢を与える事であり、この中でもさらに2つに分けることが出来る。

1つ目は、グレードを分けるアドオンである。セブンイレブンを例にとると、既存のものよりも10円高い、ハイクラスなキリマンジャロコーヒーが該当する。

 よりハイクラスな選択肢を与えることで、顧客の満足度を向上させ、コーヒーの販売数を上げる、有効な施策である。

2つ目は、組み合わせのアドオンである。マックを例にとると、セットメニューが該当する。ハンバーガーをマックで買い、ジュースを自販機で買い、サラダをスーパーで買うなど、顧客にとっては最悪である。そこで、マックはメニューを組み合わせ、パッケージとして販売することで、顧客の満足度を高めると同時に自社の売り上げを向上させているのだ。

このように、サービスを組み合わせ、多様なニーズに応えられる選択肢を用意することで、顧客の満足度を向上させ、店の売り上げも増やす、有効な施策である。

 

このように、顧客に多様な選択肢を与えることによって、満足度と客単価の両方を同時に、向上させることが出来る。

一見当たり前の様なことだが、自分のサービスとなると、この視点を見失うものは多いという。

 

7.実際に、どうやってアプローチするのか?

ここまでの内容は、いかにサービスを魅力あるものにするか、というものであったがLTVから適切な投資をし、魅力的なUSPを構築したとして、リスクなく、十分にアドオンされたサービスを開発したとして、それをどの様に見込み客に宣伝すればよいのだろうか?

本節では、マーケティングの具体的な手法である、DM, テレマーケティング, Webマーケティングのそれぞれについて、論じていく。

 

DM(ダイレクトメール)

ダイレクトメールとは、見込み客とのコミュニケーションに用いる文書類全てを指す。代表的なものは、ポストに投函されるチラシや、駅前で配られるティッシュなどがある。

 

ダイレクトメールの最大の利点は、安価に大量の顧客にアプローチできることである。

ダイレクトメールは、専門の業者に頼めば安価すむし、わずかな時間で大量の顧客にアプローチできる。

例えば10000人の顧客に電話でアプローチするのと、Eメールでアプローチするのでは、かかる時間が全く異なる。Eメールは3秒で10000人にアプローチできるが、電話では1日以上の時間がかかってしまうだろう。

次に、このダイレクトメールを成功させるノウハウについてだが、長くなるので割愛する。ポイントとしては、見られること、ほしいと思わせること、セグメンテーションで顧客を細かく絞ることの3つが挙げられる。

テレマーケティング

この時代にテレマーケティングなんて、、、と思われる方が多いかもしれない。しかし、テレマーケティングもポイントを抑えることで、サービスの販売活動に多大な恩恵をもたらすのだ。

この章では、テレマーケティングを有効活用する方法について述べていく。

まず、むやみに電話をすることは愚行である。時間に対しての費用対効果は非常に小さいからだ。

電話をかける相手は、既にDM等でアプローチ済みの人、さらには反響があった人が望ましい。彼らは既にサービスに興味を持っているため、門前払いをされる心配はないし、話をよく聞いてくれるだろう。

次に、テレマーケでは質問から始めるのが原則である。いきなり、商品の提案をしてはならない。初めは顧客の悩みを聞き出し、そのソリューションとして自社の製品を提案するのがベストだろう。

 最後に、電話の結果がうまくいかなかったとしても、その結果をプラスに転換しなければいけない。見込み客がサービスを利用しなかった理由を分析し、今後のマーケティングに生かさなければならない。

この様に、テレマーケは決して時代遅れの方法ではない。

Webマーケティング

Webマーケティングといっても、やることは多岐にわたる。SEOSNSマーケ、バーチャル経済圏の確立等、Webが主流になってきている今となっては最も重要なマーケティング手法ではないだろうか?

残念ながら、この本の中では具体的に検索順位を上げる方法や、Twitterアカウントの有効な運用方法は記されていなかった。

ただ、一つだけWebサービスマーケティングにおいて有効なことは、コンテンツをインタラクティブなものにするということである。

ここでいうインタラクティブとは、そこまで難しいものではなく、ユーザからのレビュー機能や、お問い合わせ機能を搭載するということである。

これによって、2つのメリットが見込める。

1つは、サービスの評価が分かることである。これによって、何を修正し何を修正しないべきかが分かり、より良いサービスを作ることが出来る。

2つ目は、ユーザ同士でマーケティングをしてくれるということである。良いレビューは、新しいユーザを呼び、客数の拡大に大いに役に立つ。

この様に、Webマーケティングにおいては、インタラクティブなコンテンツを大事にすることが有効である。

 

以上が、具体的な顧客アプローチの方法3つである。

この方法を参考にして、サービスのユーザ拡大に向け努力をしていきたい。

 

 

今回はここまでとして、次回で完結させたい。

次回は、既存顧客との付き合い方と、テストの重要性について考えていきたい。

 

 

過去記事はこちら。

 

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では。

【要約】ハイパワー・マーケティングを読んで、マーケの基礎を勉強した②

こんにちは。

今回は、前回の記事の続きとなっています。

 

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4.リスクリバーサルを理解し、NOと言えない提案をする

クライアントが感じる、サービス利用に伴うリスクを理解し、先回りして解消していくことで、Noと答えることが難しいオファーを提示することができる。

本節では、リスクリバーサルの活用例と、実際に自分が本テクニックを実践する際の流れについて説明したい。

リスクリバーサルの活用例

リスクを先回りして解消することで、大きな売上を得ることが出来る。ここでは、クリーニング店を例にとって、リスクリバーサルがいかに有効であるかを、説明していきたい。

あるA商店街には、2つのマッサージ店が存在している。α店は、1時間3000円の料金を設定しているのに対し、β店は、1時間3500円の料金を設定している。

この条件のみを考えると、β店はα点に対して価格競争で劣っているが、β店は加えて、ある施策を打っている。それが、【マッサージ後、満足できなければ全額返金する】という内容であった。

この場合、β店の方がα店よりも圧倒的に大きな売り上げを上げた。

この理由は単純明白である。多くのマッサージ店利用者が抱える、お金を無駄にするかもしれない、というリスクをβ店は解消しているからだ。

 

この様に、クライアントが抱えるであろうリスクを先回りして解消することで、購買意欲を高め、大きな利益を得ることが出来る。また、LTVと併せて考えれば、この効果はさらに大きなものとなるだろう。

 

どのようにリスクリバーサルを設計するか

リスクリバーサルの設計方法は、いたってシンプルである。

それは、当事者意識をもってサービス利用に伴う全てのリスクを想像することである。

しかし、当事者意識を持つことはそう簡単ではない。親しい友達であっても、相手が何を考えているのかは正直よくわからないものだ。

 

そこで、次のフレームワークにあてはめることで、ある程度網羅的に、ユーザの障壁を把握することが出来る。

・金銭的な理由

⇒初期の購入コストを始めとする、お金を損するリスク

・感情的な理由

⇒サービスが機能しないことで、格好悪いと思われたり、ネガティブな気分になるリスク

・不確実性に関る理由

⇒ サービスが役に立ったかどうか、判断できないリスク(温泉の効用など)

 

以上3つのカテゴリーに該当するリスクを、抽出していくことで、より良いリスクリバーサルを設計し、新規顧客を伸ばしていけるだろう。

 

 

5.クライアントの流出を防ぐ

クライアント流出を10%減少させることは、10%の新規客を獲得することと等価である。これは、至極当然のことであるが、実際に顧客流出に注目している人は少ない。

本節では、クライアントの流出を防ぐ方法について論じていく。

 

クライアントの流出原因は大きく分けて以下の3つである。以降では、そのそれぞれに対して、取るべき施策を示していきたい。

①サービスに対して不満はないが、なんとなく忘れている場合

例えば、ある映画見放題サービスの2週間無料トライアルを利用し、非常に魅力を感じていたが、気づけば会員登録しないまま、1か月が経っていた、という経験は誰にでもあるのではないだろうか?

この様な事例の対処方法は、リマインドである。

映画サービスの例では、無料期間終了時、その3日後、2週間後に”有料プランに加盟しませんか”という内容のメールを送ることで、多くのクライアントがサービスに戻ってくるだろう。 

②サービスに不満を感じ、利用をやめた場合

これはいたってシンプルである。

レストランであれば、虫が床にいた。Webサービスであれば、サーバーがダウンしてアクセスできなかった。もろもろの不満が理由で、サービスの利用をやめた場合である。

 

この様な事例の有効な対処法は、謝罪である。

相手に対して、サービスの不備があったことを丁寧に謝罪し、不備を解消したことを真摯に伝えるのだ。この施策のメリットは2つある。

1つ目のメリットは、単純に流出したクライアントが帰ってくるからである。

再び利用してくれるのか、という疑念は当然だと思うが、サービスの不満が解消されれば、3割程度の顧客は帰ってくるという。

2つ目のメリットは、サービスの改善点が分かることである。

クレームをくれた元クライアントは、氷山の一角である。一人のクレーマーに対して30人のクレームは入れないが、サービスに不満を持つ人は存在している。

サービスの不備を解消することは、長い目で見れば、流出顧客を減らすことに大いに役に立つだろう。

③クライアントの都合により、サービスが必要なくなった場合

例えば、大学生の時間割サービスは大学を卒業してしまえば必要なくなる。

この様に、クライアント都合によって流出していく顧客を食い止める方法はない

 

しかし、この様な顧客に対しても、するべきことはある。感謝を伝えることだ。

この目的は美徳のためか? 違う。口コミのためである。

そのクライアントは、もうサービスは利用することはないが、新大学生にサービスを紹介して、新規顧客を与えてくれるかもしれない。

 

以上がクライアントの流出を防ぐ方法である。

繰り返しになるが、新規顧客の獲得とクライアント流出量の減少は等価である。

この方法をマスターして、流出の少ないサービスを作り上げたい。

 

 

今回は2000文字を超えたため、以上となります。

次回は、顧客単価を高める方法、実際に顧客にアプローチするか(How)の部分について記事にまとめていこうと思います。

 

そのほかの書評。

 

polymerchemistry.hatenablog.com

 

 

では。

【要約】ハイパワー・マーケティングを読んで、LTV, USPを勉強した①

ハイパワー・マーケティングとは

この本の内容を一言でいうと、マーケティングがタイトルに含まれるように【サービスを利用してもらう方法】について、書かれているものである。

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【考える技術・書く技術】を読んで、戦略コンサルに就職することを決めた

戦略コンサルタントになるためには?

 

僕は2023年に東工大の院を卒業し、戦略コンサルティングファームに就職したいと思っている。

戦略コンサルとは、企業が抱える経営課題改善や新規事業立案のコンサルティングを行う企業であり、僕はその仕事と給料に魅力を感じた。

 

初任給は600-700万円、入社5年で年収2000万円だって可能なハイクラスファーム。

超過酷な選抜であり、内定者はほぼ東大、それも起業経験等をもつ、超ハイスペック東大生に絞られ、就活界の理Ⅲと呼ばれるほどだ。

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